今治さいさいきて屋の西坂代表が語る、カンブリア宮殿「究極の地産地消で小さな経済圏を作れ!全国最大級の農産物直売所の『規格外』戦略」視聴レビュー

2015年3月26日(木)放送のカンブリア宮殿「究極の地産地消で小さな経済圏を作れ!全国最大級の農産物直売所の『規格外』戦略」では、地元の言葉で「何度も来て」を意味する愛媛・今治市の農産物直売所「さいさいきて屋」が紹介された回でした。登場されたのはさいさいグループ代表であり、農協の職員でもある西坂文秀(にしさか・ふみひで)氏です。

瀬戸内海に面したタオルと造船が有名な町、愛媛県今治市にあるのが1,800㎡という日本最大級の農産物直売所「さいさいきて屋」です。JAおちいまばりの直売所があり、キャベツや伊予柑、瀬戸内海の魚、お米に加工品、調味料まで全て今治産がそろっています。

商圏人口はたった10万人ですが、圧倒的な品ぞろえによって年120万人が訪れ、売上高は27億円に上ります。さいさいきて屋のカフェでは、地元今治産の巨大イチゴが山盛りのタルトが飛ぶように売れています。

さいさいきて屋の人気を支えるのが、高齢農家のやる気です。直売所での販売価格は生産者が決められ、売上の15%を手数料として支払う仕組みです。出荷農家1300人のほとんどは兼業や小規模、高齢などの「農業弱者」というのが特徴です。

少量や規格外の農作物は農協では引き取ってもらえませんが、さいさいきて屋ではキュウリ1本でも販売可能というのが特徴です。またPOSシステムの売上データを農家が指定した時間にメールで送ったり、遠方の島の農家の作物をまとめて集荷する仕組みを作り上げたりと、小規模農家を支える細かいサービスも提供しています。

さいさいきて屋では売上アップではなく、日本一売れ残りの少ない直売所を目指し、売れ残った商品を定価でできるだけ買い取っています。買い取った農作物はスイーツに使えるパウダーに加工するなど、今治の生産者が持ち込んだ農作物を出来る限り売り切る方法を模索しているのが特徴です。

また幼稚園や小学校などに給食を提供するなど、さいさいきて屋では販路拡大にも注力しています。地元の魚介類や農作物で作られた美味しい給食が地元の幼稚園で受け入れられることで、幼稚園児の両親や祖父母がさいさいきて屋に足を運ぶなど、好循環も生まれると思います。

買い物に不便な島などに暮らす買い物難民を手助けするため、さいさいきて屋では2014年春から契約客にタブレット端末を貸し出し、宅配で商品を届けるネット通販にも乗り出しています。

またさいさいきて屋では若者の支援にも注力しており、地元今治で農業にずっと取り組んでもらえるよう若手農家へのアドバイスも積極的に行っています。さらに今治で農業を学ぶ高校生と綿花を栽培し、純国産の今治タオルを生み出す取り組みも進めています。

番組最後の編集後記で村上龍氏も言及されていましたが、さいさいきて屋は地域に根ざし、農家と地場産業と消費者をつなぐ「自立した小経済圏」の成功例だと思います。ここから海外や外国人からの注文も得られるようになれば、より大きな成功例へと成長して行けるはずです。

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