サラダコスモの黒ニンニクや豊田通商のリチウム採取などビジネスチャンスもある、未来世紀ジパング「他人事じゃない!? ハゲタカに狙われたアルゼンチン」視聴レビュー

2015年1月26日(月)の未来世紀ジパング「他人事じゃない!? ハゲタカに狙われたアルゼンチン」は、タイトルの通り日本の真裏にある南米の国アルゼンチンを取り上げた回でした。イグアスの滝で有名な国ですね。

アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスの地下鉄には現在、200両以上の日本の中古地下鉄車両が走っています。番組で初めて知ったのですが、日本の地下鉄はアルゼンチンをモデルに作られたそうです。レール幅も同じなため、日本の地下鉄車両もブエノスアイレスの地下を走れるのです。

1908年に設立されたコロン劇場や、貧しい生い立ちから大統領夫人に上り詰めたエヴァ・ペロン(エビータ)など、アルゼンチンには歴史的にも有名な建築物や人物がいます。

また世界遺産のイグアスの滝のような観光資源も豊富です。イグアスの滝で大人気なのが、滝を下から眺められる絶叫モーターボート観光だそうです。またイグアス公園近くの街は外国人観光客が殺到しており、買い物天国になっています。

外国人観光客が押し寄せる最大の理由は、アルゼンチンの通貨安です。1910年代まで世界第5位の経済大国として”南米のパリ”と呼ばれ、世界でも有数の富める国だったアルゼンチンですが、2001年に人類史上最高額となる13兆円のデフォルト(債務不履行)をしたことで通貨安とインフレが進んでいます。

2014年には”ハゲタカファンド”との争いの後、戦後6回目となるデフォルトをしてしまい、通貨急落に見舞われるなど経済が非常に不安定な状態に陥っています。

デフォルト後、実質40%とも言われる深刻なインフレが続いているアルゼンチンでは、庶民の生活にも影響が出ています。アルゼンチンの主食は肉で、かつては一人当たり70キロという世界1の牛肉消費量を誇っていましたが、それも今では60キロまで減っているそうです。

貯金も目減りし、政府により外貨購入も制限されているため、まとまったお金がある人たちは資産防衛のため、高級品や不動産、自動車などを買いあさっています。

この異常なアルゼンチン経済の影響を受けているのが、岐阜県の農業法人サラダコスモです。アルゼンチンで大豆や小麦を生産しているものの、アルゼンチン政府が主要な農産物に最大35%の輸出税をかけたせいで輸出しても採算が合わないのだそうです。

そこでサラダコスモが目を付けたのが、アルゼンチンでは輸出税がかからない「にんにく」です。“黒ニンニク”に加工しネット通販で販売したことで、売れ行きも好調だそうです。サラダコスモの黒ニンニクは楽天市場でも購入できます。

豊田通商(東証1部上場、証券コード:8015)の谷本憲太郎さんも経済が不安定なアルゼンチンでビジネスを推進している方の1人です。アルゼンチンは鉱物資源が豊富で、特にハイブリットカーや電気自動車にとってなくてはならないリチウムイオン電池の材料として使われる「リチウム」も大量に眠っています。

アルゼンチンの北西部、標高3,900メートルという高地に広がる巨大な塩湖“オラロス塩湖”からリチウムを採取するため、豊田通商ではリチウム精製工場を製造し、間もなく出荷を開始するとのことです。

沸騰ナビゲーターの太田泰彦氏(日本経済新聞社論説委員兼編集委員)は未来予測で「日本はアルゼンチンにはなれない」を掲げられていました。

牛肉や穀物といった食糧、エネルギー、そして鉱物資源など生活に必要なものは国内で十分にまかなえる自給自足の国アルゼンチンと違い、万が一日本がデフォルトすると円の価値が下落しハイパーインフレが起こるとも言われているそうです。

デフォルトを回避するには、日本の1000兆円の借金を減らしていくしかありません。支出を減らし、税収ではなく歳入を増やすためにも、日本の「稼ぐ力」を強化することが重要だと太田氏は語っていました。

デフォルトを繰り返し、通貨安とインフレに見舞われているアルゼンチンは、今回の番組タイトルにもある通り決して日本人にとって他人事ではありません。アルゼンチンから学び、最悪の事態を回避する取り組みが国民1人1人に求められていると思います。

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