南部経済回廊が東南アジア(ASEAN)と日本の発展をつなぐ!未来世紀ジパング「池上彰が行く、アジア沸騰街道900キロ!」感想&評価

2015年12月7日(月)放送の未来世紀ジパング「池上彰が行く、アジア沸騰街道900キロ!」は、4周年記念の1時間半の拡大版スペシャルとしてジャーナリスト池上彰氏がインドシナ半島の「南部経済回廊」を走破した貴重な放送回でした。

2015年末に誕生するAEC(ASEAN経済共同体)の大動脈とも言えるインドシナ半島の「南部経済回廊」。悲惨なベトナム戦争から40年、ベトナムは今驚異の経済成長を続けています。番組で紹介されていた二宮金次郎の像もあるホーチミンの日本語学校では、多数の若者がベトナムの日系企業で働くため日本語や文化を学んでいるそうです。

南部経済回廊の起点ベトナムの次は、カンボジアです。日本による120億円の無償援助で建設された、全長5,400mとアジアで最大規模の「つばさ橋」がメコン川を渡すようになり、物流も往来もそれまでとは比べものにならないくらい急増しているそうです。

ベトナム・プノンペン経済特区に進出している日本企業も、つばさ橋を越えてやってくる大型物流トラックのおかげでビジネスも活況とのこと。番組ではプノンペンの工場で新たに再生される日本の古コミックが取り上げられていました。

カンボジアは過去の番組でも多数取り上げられている注目の国です(例:カンボジアの食カンボジアの流通)。ポル・ポト政権による大量虐殺という悲劇を乗り越え、若年層の増加によってカンボジアの経済成長は今後もますます続いていきそうです。

日本が支援するカンボジアの地雷対策センター(CMAC)や、日本人女性の山崎さんが取り組む高度なカンボジア陶器文化の再興など、国や民間レベルでカンボジアの発展を促す取り組みを日本は行っていることを知りました。同じ日本人としてこうした活動を誇りに思います。

しかしそんなカンボジアでは現在、中国からの援助と影響力が増大しているそうです。マリナーベイサンズと同じような豪華マンション「ディーアイリビエラ」をはじめ中国資本のリゾート建設が進み、日本橋の真横には中国橋というもう一本の橋まで完成しました。池上さんが話されていたように、インフラ設備は中国に任せ、サービス面を日本が担う発想の転換が必要なのかもしれません。

南部経済回廊の終着点、タイの首都バンコクは高層ビルが立ち並び、ラッシュアワーの渋滞はいまや世界有数となるなど、大きな経済成長を遂げています。この大渋滞問題を解決するプロジェクトとして、日本製の鉄道車両が走る「パープルライン」と呼ばれる鉄道が誕生しました。

未来世紀ジパングの公式サイトで公開されているWEB限定動画も視聴してみたのですが、カンボジアにおけるネット通販の可能性を感じさせる内容でした。ASEANの発展に貢献してきた日本、今後はサービス面やシステム面で東南アジア諸国とWin-Winの関係を築いていく時なのだと思います。

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