サーモンにワインに銅と豊富な資源国チリ、未来世紀ジパング「あの食材から資源まで…世界争奪戦の舞台“南米チリ”が沸騰!」視聴レビュー

アルマ望遠鏡という国立天文台があることでも有名な南米チリが取り上げられたのが、2014年12月1日(月)放送の未来世紀ジパング「あの食材から資源まで…世界争奪戦の舞台“南米チリ”が沸騰!」です。チリ産サーモンにチリ産ワイン、そして銅といった食材や資源について詳しく紹介された回でした。

チリ産ワインの中で取り上げられていた“コヤムワイン”は、日本でも通販でお取り寄せできるようです。番組で取り上げられた事で品切れになっている日もありますが、「楽天市場のコワムワイン」で販売されている事があります。

番組によるとロシア国内にあるマクドナルド12店舗が、ロシアによるウクライナ問題の報復のためか営業停止に追い込まれていたそうです。欧米の経済制裁により、通貨のルーブル相場もこの半年で3割下落しています。スーパーでもロシア産のサーモンは大きく値上がりしています。

日本食レストランMAKOTOなど、ロシアには1,000店舗以上の日本食レストランがありますが、彼らは南米チリ産のサーモンを輸入することで、国産サーモンやノルウェー産サーモンの価格上昇に対応していました。

チリはノルウェーに次ぐ世界第2位のサーモン生産国として、アメリカやロシア、日本等にサーモンを輸出しています。アクア・スクールという水産会社の展示会でもチリ産サーモンが人気を博していました。

日本の回転ずしのサーモンは6割がチリ産とのこと。日本にとって欠かせないサーモンを安定的に確保するため、ニッスイこと日本水産株式会社(東証1部上場、証券コード:1332)は、チリ富士を望む南部の街プエルトモンでトラウトサーモンの養殖を行っています。チリでサーモン養殖を根付かせたのも日本だったそうです。

サーモン以外にもう1つ、チリの主要輸出品として人気なのがチリ産ワインです。2013年度の日本のワイン輸入先は、チリがイタリアを抜いて第2位にランクインしています(第1位がフランス、3位イタリア、4位スペイン、5位アメリカ)。

かつて格安ワインの代名詞と言われていたチリ産ワインですが、100%オーガニックの「コヤムワイン」という1本約3,000円のワインの登場により、高級ワインの人気も高まってきているそうです。

番組で初めて知ったのですが、中国のワイン消費量は2013年、赤ワインでフランスを抜いて世界第1位に、白ワインでも第5位にランクインしています。かつてに日本でワインブームが起こった時のように、今まさに中国でワインブームに火がついているようです。

10円玉や電線などに使われており、日本に欠かせない銅は輸入の半分をチリ産の銅に頼っています。チリの銅と言えば、2010年に発生したサンホセ鉱山の落盤事故と、33人の作業員が2か月かかって救助された「奇跡の救出劇」が有名です。

チリではサンホセ鉱山の事故の後、銅の地下採掘の安全性が見直され操業停止となった鉱山が続出したそうです。新たな採掘地を求め、銅採掘の舞台は平地からアンデス山脈へと極地開発の時代に移っています。

標高4600mのカセロネス銅鉱山は、JXホールディングス株式会社(東証1部上場、証券コード:5020)の子会社、JX日鉱日石金属をはじめとするオールジャパン体制で開発を手掛ける鉱山です。

従業員専用のベースキャンプでは20代の日本人女性、JX日鉱日石金属の上田裕子さんも地質調査員として活躍しています。危険と隣り合わせの過酷な現場に自ら志願してやってきたそうです。若い女性が世界で活躍する姿を見るのは、1自営業者としても勇気づけられます

沸騰ナビゲーターの太田泰彦氏(日本経済新聞社論説委員兼編集委員)は未来予測で「太平洋に“第ニのチリ”」を掲げられていました。貿易の90%が自由貿易で南米の優等生と呼ばれるまでに成長したチリは、環太平洋経済連携協定(TPP)にも当初から加盟しています。

TPP加盟予定の12カ国の経済規模は約3,000兆円にもなり、世界のGDPの約4割を占めます。TPP域内で人の出入りが自由になることで、日本の技術提供を通じて「第ニのチリ」が生まれる可能性もあるとのこと。南米ペルーはその候補になると思います。

太田氏が番組最後に話されていましたが、相手国と日本の成長と共栄につながる「日本式」の取り組みが、本当の争奪戦に勝つ為の秘策というのは、個人的にも大きく同意する部分です。日本人がどんどん世界に進出し、本当のWin-Winの関係を築くことが今求められていると思います。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です