山中伸弥教授が語る、カンブリア宮殿「なぜ、手術下手な医者が、ノーベル賞をとれたのか? 劇的な「iPS細胞」発見から10年 “夢の医療”最前線」
2017年4月13日(木)放送のカンブリア宮殿「なぜ、手術下手な医者が、ノーベル賞をとれたのか? 劇的な「iPS細胞」発見から10年 “夢の医療”最前線」に登場されたのが、生物を形づくる様々な細胞に変化できるiPS細胞を発見しノーベル生理学医学賞を受賞された京都大学・iPS細胞研究所所長の山中伸弥(やまなか・しんや)教授です。
山中教授がiPS細胞を発見して早10年になるんですね。人間の臓器を作る再生医療や新薬開発の切り札として世界中で研究が進められているiPS細胞、近年は臨床試験が行われる段階まできているそうです。
細胞の初期化によって理論上どんな臓器でもゼロからつくることが出来るiPS細胞。国も1100億円を投じ日本の国家プロジェクトとしても認定され、再生医療分野だけでも市場は2020年に2兆円に達するとまで試算されているそうです。
理化学研究所もiPS細胞で作った網膜シートで臨床手術に成功し、売上1兆8,000億円の武田薬品も山中教授とタッグを組み新薬開発に乗り出しています。ソフトバンクの孫社長も山中教授に対しては賛辞を惜しみません。
そんな山中教授ですが、“ジャマナカ”という不名誉なあだ名が付いてしまうほど手術が下手だったそうです。そこで山中教授は手術の下手さに臨床医をあきらめ、不治の患者を治すための研究の道を志されたとのこと。
再生医療という言葉もない時代に細胞の研究にのめり込み、アメリカ・グラッドストーン研究所に渡米し経験を積み日本に帰国するものの、刺激の少なさに山中教授はうつ病を発症するまでに追い込まれます。
そんな中でも難病患者を助けたいというビジョンを支えに2006年、山中教授は京大の研究所の一室でマウスからiPS細胞を作製することに成功されます。ビジョンとワークハードのなせる業ですね。
iPS研究への寄付を呼びかけるため山中教授は毎年欠かさず京都マラソンにランナーとして参加されているそうです。日本は欧米に比べて圧倒的に学術研究に寄付が集まらない国だと山中教授は番組で話されていました。
iPS細胞の発見から10年。今回のカンブリア宮殿を視聴し、再生医療や新薬開発が自分が思っていた以上のスピードで進んでいることを知りました。難病を抱える患者にとって、山中教授はまさに希望の光だと思います。