残業60~100時間が普通の情報システム業界にあってSCSKの取り組みが面白い!カンブリア宮殿「ブラックからホワイトへ!”働き方革命”最前線」
2017年1月12日(木)放送のカンブリア宮殿「ブラックからホワイトへ!”働き方革命”最前線」は、SCSKの相談役を務める中井戸信英(なかいど・のぶひで)氏と、ソウ・エクスペリエンスの西村琢(にしむら・たく)社長が登場されました。
住友商事グループで従業員数1万1,000人を抱え、売上高は情報システム業界第5位の3,200億円を誇るSCSK株式会社(東証1部上場、証券コード:9719)は、「残業を減らせば残業代を出す」という前代未聞の方法で残業の半減と過去最高益の達成に成功したIT企業です。
中井戸氏は元住友商事の副社長で、2011年に長く残業体質にあったSCSK株式会社の社長に就任されます。SCSK社長就任後、中井戸氏は「残業を減らせば残業を出す」という逆転の発想で残業代の大幅削減に成功し、さらに6期連続で営業利益の最高益更新を続けています。
中井戸氏は住友商事時代でも定時に帰る異端児で、ドイツやアメリカ・シリコンバレーへの赴任で生産性の高い働き方を目の当たりにしたこともあって、従業員ファーストの信念に沿ってSCSKを改革されていったそうです。
SCSK社では残業削減以外にも「健康わくわくマイレージ」という社員の健康向上につながる独自プログラムの導入や、社員向けのマッサージルーム完備など羨ましい精度が盛りだくさんとなっています。
深刻な残業問題を抱える情報システム業界では、過重労働で心身を害する従業員が後を絶たないのが現状です。うつ病や過労死という不幸な結果につながるケースも少なくありません。そんな中でSCSKの取り組みは日本の働き方に一石を投じる素晴らしい取り組みだと思います。
カンブリア宮殿後半に紹介されたのが、パラグライダーや高級スパ、忍者体験といった非日常の“体験”をギフトとして贈る「体験ギフト」の企画・販売ベンチャー企業のソウ・エクスペリエンス株式会社です。
ソウ・エクスペリエンス社は子連れ出勤OKにしたことで子連れママや子供ならではの目線で商品開発が改善し、副業もOKにしたことで副業で得た新たな経験や人脈で販路を開拓することに成功されているそうです。
政府は「働き方改革実現会議」を発足させプレミアムフライデーの導入も発表しましたが、官公庁の指示だけでは働き方改革は成功しないと思います。SCSKやソウ・エクスペリエンスのように、社長自ら社員ファーストの考え方を持ち取り組むことが何より重要な要素ではないでしょうか。